色々な感覚過敏がある息子だが、
ひとつは聴覚過敏。
最近のバスは新しくなっていて,今はほとんど見かけなくなったが、
当時は昔からあるタイプのバスで
バス停でバスがとまって扉が開く時、
ビィィィーーーッ‼︎‼︎
っと大きな音が鳴っていた。
ドアが開くとギャーギャー叫び、乗るのを嫌がり、乗りたいバスに乗れない時もあった。
当時、イヤイヤ期真っ只中。
車もバスも大好きで、ミニカーでもよく遊ぶし、
散歩中にバスが通るのも喜んで見ていたのに、突然乗るのを嫌がる。
普通に乗れる時もあるので、
わたしは てっきりただのイヤイヤ期だと思っていた。
もともとバスに乗る事も少ないし、
乗りたいバスに乗れない事があるなら、
よほど遠くなければ、
いっそのこと時間がかかっても歩いた方が、
夜もぐっすり寝てくれる。
そう思ってバスの利用も減らした。
そんな事もあり、聴覚過敏だからだと気付いたのは
3歳検診を終え、
3ヶ月待ちの役所の相談会を経て、
さらに3ヶ月待ちの療育センター相談会後、
週に2回の療育に通い初めてからだった。
療育に通い始め、発達障害について勉強し、
ようやく息子の聴覚過敏に気付く事ができた。
わたしに知識があり、もっと早く気付いていれば、
もっと早く 息子も わたしも 大変な思いをしなくてすんだのかも。
と思ったりもするが、そんな事を考えても仕方がない。
息子のそれが、聴覚過敏からくるものだと気付いてからは、
バスが見えたら
『もうすぐバスがくるよ~』
と声かけし、
バスの到着直前に耳を塞いで、落ち着いているのを確認してバスに乗る。
それで、終わりではなかった。
ドアから離れた席に座れた時はまだいいが、
ドアの近くに座ると、バス停に止まってドアが開く度に、
ビィィィーーーッ‼︎‼︎
と、また音が鳴るので
その度にびっくりして耳を塞ぐ。
それに気付いてからは、
バス停で止まる度に前もって耳を塞ぐように声かけをした。
さらに、息子は、
バスや大型トラックが信号待ち等でサイドブレーキを引いた時に鳴る
プシューーーーーーーーーッ!!!!!
という音も苦手だったのだ。
これも声掛けで耳を塞ぎ、乗り切れるようになった。
当時、ちょうどバスの入れ替わりの時期だったのか、
同じ路線でも、古いバスだったり新しいバスだったり。
バス好きの息子は、わたしよりも早く新しいバスを見分ける事ができるようになった。
こうして大好きなバスに嫌な思いをせず乗ることができ、
やっと慣れてきた頃…
わたしは 恐竜好きでもある息子と一緒に、
恐竜博物館までバスで行くようになった。
ちょうど年中で療育園に通い始めた頃だ。
恐竜博物館までは、バスを乗り継いで行く。
新しい、ドアが開くのを知らせる音が控えめなバスに乗れたらラッキーなのだが、
もちろん古いバスの時もある。
博物館まで行くときは起きているので大丈夫なのだが、
問題は帰りだ。
博物館を大興奮で歩き回り、くたくたになってバスに乗ると、
帰りのバスの中はやっぱり寝てしまう。
最初はウトウトしながらも、声掛けで耳を塞げるのだが、
だんだん眠気が強くなってきて、
声が届かなくなり、
信号待ちの
プシューーーーーーーーーッ!!!!!や、
バス停での
ビィィィーーーーーーッ‼︎‼︎
の音のたびに、飛び起きて、急いで耳を塞ぐ。
そしてまたウトウト・・・
その繰り返し。
だんだん可哀想になってきて、
療育園の先生に相談し、
イヤマフを購入することにした。
息子が購入したのはこちら↓
早速使ってみると、
息子はものすごく嬉しそうだった。
周りの音を完全にシャットダウンするわけではなく、
適度に遮断してくれる。
遠くからの呼びかけは聞こえにくそうだが、
近くで普通に話すのは聞こえるようだ。
もちろん状況によって、周りがざわざわしていたら聞き取りにくいかもしれないが。
しっかりフィットするようになっているので、多少圧迫感があり、
息子の場合は、その圧迫感も苦手なため、
イヤマフをするのはバスや電車に乗るとき。
道路工事の近くを通るとき。
映画館で映画を観るとき。
など、限定的に使っている。
息子よりももっと過敏な子は常時イヤマフをしている。
そんな子はもっと大変な思いをしてきたんだろうと思う。
わたしは イヤマフを購入して心底よかったと思った。
イヤマフひとつで何の問題もなくバスに乗れるようになり、
大好きな恐竜博物館の帰りも大きな音にびくびくすることなく、
ご機嫌なまま家まで帰りつくことができる。
イヤマフのおかげで映画館で映画を楽しむことができるようになった。
風船をつまようじで割って、わたしを驚かせるいたずらだってできるようになったのだ✨
聴覚過敏の子にとって、イヤマフは神アイテム‼‼
『イヤマフがあれば無敵になれる‼』
そんな感覚なんじゃないかと、息子を見ていて思う。
もしも、子供が大きい音が苦手で困っている人がいたら、
ぜひ、イヤマフを試してみてほしい。
もちろん子供でなくても大人でも。
わたしはとにかく嬉しかった。
息子が好きなことを無理なく楽しめるようになって。
新しい経験にも挑戦できるようになって。
それは なんと幸せなことだろうと思う。
イヤマフを作ってくれた人に感謝。
もし、このブログを読んでくれる人がいたら、
少しでも聴覚過敏のことを知るきっかけになったらとても嬉しい。